A.以下の項目に従います。
まず最初に「規制」という言葉が独り歩きしております。
ツイッター等で安易に拡散すると、これらの意味合いが混在して大きな混乱となります。
私どももQ&Aを通して出来るだけ丁寧に答えていきますので、皆様もご協力をお願いいたします。
まず、同人誌成人向け等における規制はおおむね下記に分けられます。
- 刑法175条に抵触する「わいせつ表現」として頒布できないもの
- 青少年健全育成条例等により、18歳未満に頒布できないもの
- 児童ポルノ(写真等)禁止法により、所持を禁止されているもの
刑法175条に抵触する「わいせつ表現」として頒布できないものについて
今回話題になっている「直接的な性器の名称」をテキスト記載したとして、それがわいせつ表現として刑法に抵触するかといえば、とうてい現実的ではありません。
もちろん、「わいせつ」とはなにか?という問題は社会情勢などにより日々変化いたしますので、絶対とは言えませんが、あまりに飛躍し過ぎでしょう。
青少年健全育成条例等により、18歳未満に頒布できないものについて
最初に大前提として「こちらの規制」は18歳以上には頒布可能です。
さて、小説表現で、出版(サークル)側の意思に反してR18指定にする(つまり行政からの指導があり得るレベル)のは、相当な社会的影響をあたえるような衝撃作品でないと難しいかなと思われます。
東京都の青少年治安対策本部における指導においても近年小説が不健全図書指定されている事例は見当たりません。
ただし、収録しているイラストに過激なものがある場合は、その内容や量(全体ページの1割以上を目安に)によって考えてもよいかもしれません。
むしろ、成人向け小説よりも先に、「自殺の仕方」や「拳銃の作り方」「合成麻薬の作り方」等の犯罪HOW TO系は社会問題にもなっているのでR18指定を行政側から望まれる可能性はあり得るのではないでしょうか。
青少年健全育成条例等により、18歳未満に頒布できないものについて
こちらについては、実写であることが必要要件ですので、ここでは割愛いたします。
また、新しい問題として「ヘイト表現」があります。
いわゆる人種差別や女性差別で問題になっているものです。
こちらについては、例えばドイツではナチス礼賛は禁じられていたりしますので、今後日本でも何らかの規制が出来るかもしれません
現状では規制されていませんので、自由に発信することは可能であり、刑事罰の対象ではありません。
(言論や表現、思想の自由との重要な問題があり、まだまだ議論が続けられております)
ただし、民事で訴えられたり、社会的な制裁を受ける可能性は十分にあり得ます。
例えば政治家さんが女性差別発言をしても懲役や罰金は発生していませんが、辞職に追い込まれることは記憶に新しいと思います。
こちらについては、まずは「人として」十分考えていきたいですね。
なお、コミックシティにおいては自主規制としてチラシ置場等ではヘイト表現を含むチラシを置く事は出来ません。
(サークルスペースからの頒布はその限りではありません)
2014年7月24日現在